朝、グリーグのペールギュントのメロディーが頭の中でリズムを奏でてきます。そこには陽が昇り、色とりどりの芽がふくらみ、花が咲き、鳥や様々な生物の躍動にあふれた朝の光景が広がります。私は音楽に合わせて軽く身体を動かしながらゆっくりと起き上がり、今日も元気な朝が来ましたと鏡に向かって「おはよう」と一瞬観肌(かんき)します。そして窓辺の人形たちそれぞれに名前を呼んで「おはよう」と声をかけます。
マイセン人形のヨハン君・カタリナちゃん。街角のアートショップでたまたま見つけた晴加ちゃんとポチ。スイスユングフラウのチロルハットのペーター君。かつて子供たちが遊んだオルゴール人形のマーガレットちゃん。そして銅製の番犬ドーベルマン君は頭をよしよしとさすってやります。みんな喜び微笑んでくれます。
それから再度観肌(お肌チェック)し、体調を推し測ります。八十も過ぎると満足な日ばかりではありませんが、不摂生を反省しつつ今日も前を向いて「よしやりましょう」と庭に出て朝日を拝し、深呼吸を三回して隣接する会社を開けて一日が始まります。
一日に幾度となく会社と我が家を往復します。庭には一坪程度の家庭菜園があり、今は葱、春菊、サラダ菜、木の芽などが育っています。夏からずっと食べることのできたトマト。3本のミニトマトはほとんど終わりましたが、2本は普通のトマトで枝に8つもの青いトマトが育っており、そこを通る度に「赤くなあれ、ガンバレ」とエールを送ってきました。11月に入るとようやく赤く熟れ始め、「よくやったね」とほめながら写真を撮りました。初冬の木熟れのトマト絶品でした。自然の恵みに感謝です。
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