2016年01月19日

年の始めに


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大濤にをどり現れ初日の出 ─ 虚子

年初めの空に晴れやかに穏やかに昇った初日を拝することができたのは大変喜ばしい限りです。皆様は新春を如何過ごされたでしょうか?

毎年お正月はお年賀の方々で賑わっていましたが、年々こう云った仕来りも薄れてきまして二日に親しい方がお見えになる位で静かなお正月になって来ました。

今年は次女が帰って来てくれて新年を春着(着物)で迎え華やぎました。元旦は先ず初日を拝み、神様(神棚)に一年の無事を祈願いたし、次いでご先祖様(仏壇)に新年のご挨拶をして祝膳につきお屠蘇で明けましておめでとうございますと新年を寿ぎます。今年平成28年も少しずつ簡素になりつつも変わらぬ事始で一年が始まりました。

もういくつねるとお正月〜♪〜子供の頃には一番楽しい祝日でした。ことにお正月は凛とした緊張感の中にも楽しい開放感があって家族もお会いする方々も皆明るい笑顔でしたし、伸び伸びと飛び回って遊んだ数々の記憶が懐かしく思い出されます。


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わが家もお客様で賑わう中、娘二人は羽根つき、江戸かるた、京かるた、百人一首、すごろく等で遊んでいましたが、何より楽しみに心待ちにしていたのは一段落した母と私が遊びに加わって始まる正月だけ許していた花札やトランプ、ダイヤモンドゲームでした。何手か先を読むダイヤモンドゲームの得意な長女。花札の小野道風に思い入れがあり、手中に入るまで粘る次女。孫に負けまいと高揚する母。お客様たちの声援も手伝い賑やかに競じたものです。
今年は次女の思いつきで二人で糸とりを始めました。忘れかけていたものを手繰り寄せ何とか橋の形までたどり着き「やったね」と手を叩き合いました。家族が深い絆を保ちながら紡いだあの頃の思い出の数々─。その光景は今も鮮明に残っています。

核家族化が進む一方で、かたやスマートフォンやパソコンさえあればインターネットを通じていつでも誰とでも簡単に繋がることが可能になった高度情報化社会。しかしお正月くらいはしばしデジタルな会話はストップして、忘れかけていたアナログな昔遊びでのんびりと家族の絆を深めてみることも大切な時間の過ごし方ではないかと感じました。

posted by ハルカ at 17:34| Comment(0) | 漢萌歳時記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月28日

今年一年を振り返って

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本年一年漢萌美容料をご愛顧いただきましてありがとうございました。

今年の漢萌を振り返りますと次の三つの事柄が思い浮かびます。@ 昭和37年に創業し今年で創立50周年を迎えることができたことA これを記念して古き良き昭和を振り返りつつ昭和の代に仕込んだ半製品を蔵出しし「昭和シリーズ」を立ち上げ四製品 清(さやか)、和(なごみ)、麗(うらら)、遥(はるか)を新発売できましたことB 今年特にうれしく思いましたことは、「結」─。 お客様と漢萌との信頼関係がさらにそのお母様やお子様、ご姉妹、お友達へと結ばれ深まっていったことでした。

私たち漢萌はこの素晴らしいご縁に深く感謝しつつ、これからもよりよい製品づくりに社員一同心して参りますのでよろしくお願いいたします。

<追記>

先日NHKの「ためしてガッテン」で現代女性に多い冷え性についての番組がありました。その解消法の一つとして紹介されたのが次のような対処法です。それは「太ももに手のひらを軽く置き、目をつむり呼吸を整え楽しいことを思う ─ そうすると身体の力が抜けてきてリラックスしてくる ─ その結果血管を取り巻いている交感神経が緩まり血の巡りがよくなり温かくなってくるといった内容でした。

偶然にも最近椅子に座って一日を過ごすことが多くなり、夕方になると足がむくみやすくなった社長が全くこれと同じことをしていることに気づき尋ねてみると「自然(じねん)がそうさせてくれる」との事。つまりあれこれ頭で考えず、自ずと働くものに任せきるという態度こそが自然(じねん)に即した美容健康法であると今更ながら教えられたのでした。

永年にわたり手のひらによる美顔健康法を研究して参りました社長がかねがね申しておりますように、手のひらには優しい「温もり」や適度な「湿気」、「波動(気)」などの自然から人間に与えられた不思議な力が備わっています。これらを日々のお手入れに役立てることが必ずや私たち現代人の美容と健康に役立つものと確信いたしておりますので、是非ともご実践いただけたらと思います。よいお年をお迎えください。



posted by ハルカ at 15:32| Comment(0) | 漢萌歳時記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月01日

紅葉三題

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東大の銀杏並木

学園の掲示板に貼られた全国大学女子学生大会(名称は定かではない)募集を見て「東京へ行こう!」と決心し、高揚した友人と共に申し出て許可をもらったのは、昭和29年のちょうどこの頃の事でした。当時東京へはまだ「安芸号」なる蒸気機関車で行く時代。広島を発ち、東京までは20余時間の長旅でした。

当時の記憶は切れ切れで定かではないのですが、お茶の水女子大学が会場であり、宿は当時学内にあった学生宿舎。薄暗いはだか電球だけの木造宿舎に多くの女学生たちと宿泊しました。他校の方たちとも仲良くなって皆で銭湯へ行き、帰り道に焼き芋を買って新聞紙にくるんでもらいぬくぬくと食べた記憶が蘇ります。

本題の大会の事についての資料は残っておらず、目的・内容の記憶も曖昧です。ただ、全国一流大学の方達の壇上での熱弁に圧倒されたことを覚えています。

最終日の集会場所は東大の安田講堂前。赤門から安田講堂辺りは紅葉が真っ盛りで、ことに銀杏並木は圧巻でした。集会が終わり安田講堂から正門まで声高々に歌を歌いながら行進しました。歴史を感じる銀杏並木の大樹から一斉に舞い降る様は壮観で黄色の落葉の絨毯を素足で踏みしめながら皆で歌い進むその一体感に込み上げる熱い想いはまさに青春そのものでした。

信州の秋


秋の旅は日暮れが早い。長野の霧ケ峰に降り立ち、散策後急いでバスへ。車窓から夕日に一面の草もみじが金色に輝いてまばゆい程でした。

山は暮れて野は黄昏(たそがれ)の薄(すすき)かな ─ 蕪村の句とその光景を結びつけながら車窓の景色は逆光に変わり、草もみじを背景に一面のすすきがキラキラとゆれながら輝いて見えてきました。

逆光のすすきの原に風のたつ ─ 晴恵 思わず一句詠みました。
信州はあちこちに俳人たちの名句が残されており、重ね合わせながらの旅も楽しいものでした。


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落葉あれこれ

ひと歳とってからの姉との旅はことのほか楽しく、桜を愛でれば次には秋の訪れを心待ちにしていたものです。

京都への旅は大方は日帰りでしたが、一度だけ一泊旅行をいたしました。トロッコ列車にも乗り嵐山界隈の紅葉の名所をいくつかゆっくり巡りました。

京の秋の夜は静寂そのものでした。久々に姉妹枕を並べて幼い頃のこと、友のこと、戦中戦後の貧しくひもじかったことなど話しながらいつしか夢の中へ─。夜半過ぎ急に冷え込み、木枯らしの様子に紅葉を案じながら朝庭に出てみると苔庭の上に色とりどりの落ち葉が舞い散り、初霜が降りたのか一際鮮やかに発色し朝日に映えて錦絵のようでした。

今日から12月。日増しに寒さもつのり霜が降り始めると紅葉も一層鮮やかになり、束の間目を楽しませてくれますが、やがて一気に散り落ちてしまいます。ふとアスファルトに散った街路樹の落葉たちは風に飛ばされどこへ行くのだろうと少しセンチな気分になりました。刹那に暮れ色に移り変わる冬空のせいでしょうか?




posted by ハルカ at 17:26| Comment(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする