先日NHKのブラタモリで二週にわたり広島市内と宮島を探訪する番組を放送していました。それによると広島は先人達が三角州とその前面の干潟を次々と干拓して拡げていき、現在の広島市デルタの姿になったようです。戦前は市街地に七つの川が流れていましたが、戦後の改修工事で六つの川になったこと。また本川を少し上流にさかのぼれば今も広島の原風景とも言えるような手付かずの中州が残され、そこがサギの生息地となっていることなど意外と知らないことも多く興味津々な内容でした。
私も亡き主人も幼少時代は川に親しんだ生粋の広島っ子です。主人は原爆ドームの前を流れる本川の近くで生まれ育ちましたし、私は西に川をもう一つ隔てた天満川の近くの町で育ちました。
歴史を遡れば、広島の河岸には雁木(がんぎ)と呼ばれる階段状の船着き場が各所に作られ、水際のターミナルとして島々や各所からの船が出入りし賑わいを見せていました。そのため被爆前の河岸には旅館や、割烹・料理屋、倉庫などのその立地を活かした施設が数多く建てられていました。
被爆後は、中心部の河岸にはバラックが密集していましたが、戦後の復興計画で河岸緑地帯として整備され、今では桜や柳、夾竹桃など緑でいっぱいの遊歩道もできて美しい水の都の風情を漂わせています。
広島には自然災害も比較的少なく穏やかな気候にも恵まれています。冬には中国山地に日本海からの風が吹き付けて積雪も多く、市内から30分も北に入るとスキーが楽しめます。
春には豊富な雪解け水が川に流れ込むため水不足も少なく、また山間部から瀬戸内海へと注ぎ込む栄養豊かな水と豊富なプランクトンは美味しい魚介類を育みます。
故郷に様々なお国訛りがあるように、それぞれの土地にはそれぞれ固有の気質が備わっています。広島で生まれ育った私も含めて広島人気質を良く言えば陽気で大らかで楽天的。悪く言えば辛抱が足りないと言うことでしょうか。例えば秋田美人や京美人、あるいは博多美人に薩摩おごじょなど、それぞれの故郷の女性をある種の類型をもって表現する言葉がありますが、広島美人という言葉は地元の雑誌タイトル以外に聞いたことがありません。
温順な気候風土に育った広島美人はさながらほわっとしたお人よし美人と言ったところでしょうか?パソコンやスマホなどの普及で情報の格差がなくなり、ファッションやヘアメイクなどどれもほぼ同一のトレンドを追い求めるようになった今、その没個性化はご当地美人までも消し去ろうとしています。
ある方が女性は面立ちでもなく、朝のみずみずしいお顔が一番美しいとおっしゃっていましたが、日本美人という言葉でその本質を語るならば、やはり心身肌の健康トライアングルで活き活きと輝く女性美ではないでしょうか。
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