2015年12月01日

紅葉三題

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東大の銀杏並木

学園の掲示板に貼られた全国大学女子学生大会(名称は定かではない)募集を見て「東京へ行こう!」と決心し、高揚した友人と共に申し出て許可をもらったのは、昭和29年のちょうどこの頃の事でした。当時東京へはまだ「安芸号」なる蒸気機関車で行く時代。広島を発ち、東京までは20余時間の長旅でした。

当時の記憶は切れ切れで定かではないのですが、お茶の水女子大学が会場であり、宿は当時学内にあった学生宿舎。薄暗いはだか電球だけの木造宿舎に多くの女学生たちと宿泊しました。他校の方たちとも仲良くなって皆で銭湯へ行き、帰り道に焼き芋を買って新聞紙にくるんでもらいぬくぬくと食べた記憶が蘇ります。

本題の大会の事についての資料は残っておらず、目的・内容の記憶も曖昧です。ただ、全国一流大学の方達の壇上での熱弁に圧倒されたことを覚えています。

最終日の集会場所は東大の安田講堂前。赤門から安田講堂辺りは紅葉が真っ盛りで、ことに銀杏並木は圧巻でした。集会が終わり安田講堂から正門まで声高々に歌を歌いながら行進しました。歴史を感じる銀杏並木の大樹から一斉に舞い降る様は壮観で黄色の落葉の絨毯を素足で踏みしめながら皆で歌い進むその一体感に込み上げる熱い想いはまさに青春そのものでした。

信州の秋


秋の旅は日暮れが早い。長野の霧ケ峰に降り立ち、散策後急いでバスへ。車窓から夕日に一面の草もみじが金色に輝いてまばゆい程でした。

山は暮れて野は黄昏(たそがれ)の薄(すすき)かな ─ 蕪村の句とその光景を結びつけながら車窓の景色は逆光に変わり、草もみじを背景に一面のすすきがキラキラとゆれながら輝いて見えてきました。

逆光のすすきの原に風のたつ ─ 晴恵 思わず一句詠みました。
信州はあちこちに俳人たちの名句が残されており、重ね合わせながらの旅も楽しいものでした。


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落葉あれこれ

ひと歳とってからの姉との旅はことのほか楽しく、桜を愛でれば次には秋の訪れを心待ちにしていたものです。

京都への旅は大方は日帰りでしたが、一度だけ一泊旅行をいたしました。トロッコ列車にも乗り嵐山界隈の紅葉の名所をいくつかゆっくり巡りました。

京の秋の夜は静寂そのものでした。久々に姉妹枕を並べて幼い頃のこと、友のこと、戦中戦後の貧しくひもじかったことなど話しながらいつしか夢の中へ─。夜半過ぎ急に冷え込み、木枯らしの様子に紅葉を案じながら朝庭に出てみると苔庭の上に色とりどりの落ち葉が舞い散り、初霜が降りたのか一際鮮やかに発色し朝日に映えて錦絵のようでした。

今日から12月。日増しに寒さもつのり霜が降り始めると紅葉も一層鮮やかになり、束の間目を楽しませてくれますが、やがて一気に散り落ちてしまいます。ふとアスファルトに散った街路樹の落葉たちは風に飛ばされどこへ行くのだろうと少しセンチな気分になりました。刹那に暮れ色に移り変わる冬空のせいでしょうか?






posted by ハルカ at 17:26| Comment(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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