初代化粧水「リキッド」の容器金型
昭和42年に本社を広島から東京に移し社長の活動の場は大方東京になりました。一方広島工場は製造他全てを私が担うことになりました。当時はまさに高度成長の真っ只中、スタッフは皆個性に富んだ女性ばかりでそれぞれの担当分野に才能を生かし職場は活気に満ち溢れていました。
会社の黎明期には糠袋製造技術の向上に明け暮れる毎日でしたが、それに続き化粧水製造への取り組みが始まりました。来る日も来る日も生薬を煎じる〜煎液を絞る〜布ごしし一定量まで煮詰める〜天然酒精を加える〜一升瓶に分注するという作業の連続でした。化粧水の製造に当たっては社長から二つの指示を受けていました。ひとつは製造過程の中で徹底的にアクを丁寧に取り除くこと。そしてもうひとつは10年以上蔵で寝かせ(熟成させる)たものを商品として出せるよう生産計画を立てることでした。
そしてそれから10年後の昭和52年、商品名「リキッド」として遂に市場に出荷する日が来ました。長い長い歳月を費やした化粧水の封印を解く瞬間の喜びは本当に何者にも代え難いものでした。当時は製造法についての課題はまだまだ残されていましたが、社長からの教えを忠実に守って造った化粧水は長い年月を経て薫り高く浸透力抜群の製品に仕上がっていました。
以来、リキッドから明潤〜潤々〜明へと製品のバリエーションが広がり、お肌質や季節に合わせて選べるラインナップが充実していきました。化粧水としての役割は勿論のことですが、お手入れの最後に2〜3滴両手でお顔を包み込むようにつけ深呼吸すると芳醇な自然の香りに包まれ癒されます。現在熟成を重ねている化粧水は、自然がまだ豊かで高品質の原材料が豊富に手に入った昭和から平成のはじめにかけて蔵入りしたものです。合理的製造方法によって大量生産される現代のスキンケアコスメとは異なり、不器用なまでも手間隙かけて育て上げる漢萌製品は世界でも唯一無二の純粋自然美容料であると自負しています。
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数年前に漢萌さんを知り、以来一生もののお化粧品に出会ってしまった!
と心より感動いたしております。
いぶきをつける瞬間より、不思議な事ですが命を頂きお肌に乗せてゆくことを実感し、感謝に至ります。
明、祥、紫草クリームへとお化粧品の贅沢さを味わいながら、そしてまたいぶきでしめる…まるで、お肌のお食事です。
この様な素晴らしいお化粧品を長い年月をかけて作り出してくださり、心より御礼を申し上げられずにはおれません。
これからも、漢萌さんの商品を使い続けます。もう、手放せません。
それから、入浴時のぬか袋の贅沢さ!
何にも変えられません。
仕事に、家事に、育児に疲れたあとの何よりの癒しです。
いつもありがとうございます。
社業を続けていく上で大変励みになります。
これからも末永くのお付き合いをよろしくお願いいたします。