毎年小寒から立春までの「寒の内」は一年の中で寒さが最も厳しい時期です。我が国ではこの厳寒を衣食住の中に活用した先人たちの知恵が豊富に受け継がれています。例えば寒仕込みと言う言葉もあるように、醤油や味噌、日本酒などの伝統の発酵食品の仕込みもこの時期が最盛期。また寒気にさらして作る凍み豆腐や寒天、寒干し大根、魚の寒干し等々枚挙に暇がありませんが、漢萌においても毎年歳初めは寒の水で美容水いぶきを搾ることから作業を始めます。
美容水いぶきは社長の三戸唯裕が長年かけて万人に“効く”ことをコンセプトに商品化した製品。これもまた寒い時期に一日何度も煎液を搾る職人たちの肌が釜から立ち上る生薬の湯気に触れて活き活きと輝いているのにふと気づいたのがきっかけでした。発売当初は一滴一滴大地の恵みが息吹くように搾られることから大地の化粧水いぶきと命名されました。
またこの時期いぶきの搾り出しとあわせて多忙を極めるのが蔵出しした化粧水の自然濾過。自然濾過は漢萌でその研究に最も時間を費やした秘伝の方法で、20年近くにわたり熟成を重ねて膨らんだ自然のいのちを損なうことなくキラキラと輝きのあるクリアな化粧水へと仕上げる寒仕上げの技です。この技術は現代科学に則ったスキンケア化粧品の製造概念では全く考えも及ばないような独自のノウハウですが、漢萌の自然美容料造りには欠くことのできない唯一無二の方法なのです。
自然に従い、自然から学び培った知恵を生かし、手間暇かけてじっくりと育て上げてゆくいのちの美容料造りを後世へと伝えてゆくことこそ我が社の大切な使命であると心新たにする寒の内のひと時です。