2013年10月21日

ラストシーン

ジェシーノーマン

過ぎてゆこうとする秋を想いながら懐かしい音楽に耳を傾けています。

想い返せばかつては忙しい仕事の合間を縫って度々コンサートに出かけたものです。その中でも特に印象に残っているのが三人の女性アーティストのラストシーンです。

まずはバイオリニストの諏訪内晶子。彼女がまだ20代の頃でしたが、ストラディヴァリウスの銘器「ドルフィン」でバッハを奏でる様はまさに清楚でしなやか。「アンコールはございません」のアナウンスでしたが、全身全霊の演奏でそれも納得のステージでした。

ジャズ好きな社長と同伴で聴いた秋吉敏子&ルータバキン・ビッグバンドはお洒落なラストでした。コンサートは秋吉さんのトークも交え、自然に体がスイングするような楽しいステージングで進行。アンコール3曲目の終わり近くにメンバーが一人ずつ去るという演出で最後秋吉さんとご主人のルータバキンさんのお二人だけでの演奏になり、まず秋吉さんがピアノを閉めてステージを去り、最後にご主人がサックスを奏でながら去って行く中で幕が下りるという心に残るエンディングでした。

コンサートパンフレット

そして姉と二人で福岡まで出かけたソプラノ歌手ジェシーノーマンのコンサートは全員総立ちのエンディングでした。勿論二千人収容のホールは超満員。アンコールの四曲目が終わりピアノのマークマーカムーがステージから去ると、ジェシーノーマンが弾き語りでアメージンググレースを静かに歌い始めました。すると会場は一斉に総立ち。ワンコーラスが終わると彼女のリクエストに応えて客席全員がハミング。まるで祈りのような厳かな空気がコンサートホールを包み込み大感動のラストシーンでした。

興奮冷めやらぬままホテルに帰った私と姉は、普段は殆どお酒が飲めないにもかかわらずワインで乾杯し夜遅くまで盛り上がったのでした。

豊かな時間は色褪せることなくいつまでも心の糧となり魂の慰藉となります。人生のラストシーンも桜の花のように美しく舞い散りたいと願っています。


posted by ハルカ at 17:34| Comment(2) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月10日

糠袋と躾

醗酵糠袋

かつての日本女性は肌の手入れを母親から習っていました。幼い頃から共に入浴し、母親は自分の磨いた糠袋で子供を磨き、3〜4歳になると自分も見様見真似でそれを行うようになります。母親との入浴は嫁入り近くまで続き、その間に礼儀作法はもとより炊事、洗濯、掃除、言葉遣いなど人間として備えるべき生き方の規範を習っていったのです。

躾とは読んで字のごとく身を美しくする作法を表わす言葉です。この字は中国から伝えられた漢字ではなく辻や榊などの文字と同様日本で作られた国字(こくじ)であり、そこには日本人の心のあり方の特質がよく表わされています。

当社社長が漢萌糠袋を日本女性に最も相応しい和漢方美容料として製品造りの第一歩としたのは、この躾の文字通り美しい人づくりをめざすことを社是として掲げたからです。
初期の糠袋は現在の「漢邦」と異なり、米糠にレンゲ蜂蜜、王乳を少し入れて特殊乾燥を施したものでしたが、研究を重ねるうちに生薬を煎じて濃縮液を作り、そこに黒砂糖やレンゲ蜂蜜を混ぜ、さらに麹をつけた米糠とヨクイニン末を加えて練り上げ2〜3年醗酵・熟成させた褐色の糠袋へと移り変わっていきました。

原料の生薬は全国を行脚し産地と品質を厳選しました。たとえば黒砂糖は社長自らが西表島まで出向いて最高の物を買い付け、届いた大量の板状黒砂糖を女性社員総出でノミとツチを用いて粉砕しました。与えられた作業はすべて初体験でしたので、常に試行錯誤の連続。煎液を何回か煎じて規定量まで煮詰める際、幾度も焦げ付かして呆然としたものです。このように漢萌美容料の原点とも言うべき「漢邦」は、会社黎明期に数々の失敗の中から多くのことを学びとって育まれた製品です。

クールジャパンの影響からか現在エステ業界においても和漢方エステとして「漢邦」をご使用いただいているサロン様も少しずつではありますが増えつつあります。欧米発のスキンケアコスメ一辺倒ではなく、わが国伝統の美容文化に根ざすオーガニックコスメにようやく目を向け始めていただいていることは大変喜ばしい限りです。
posted by ハルカ at 16:41| Comment(0) | 漢萌と私 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月01日

お便り

角野様葉書1

ブログを始めて2ケ月近くになりました。日々思いつくまま現在(現在の状況)と過去を結びつけながらつたない文章を綴って参りましたが、お客様から思いもかけない有難い励ましのお言葉をいただき、またお月見の夜人生を四季に例えて主人と語り合った事を読まれ感慨深くお月見をいたしましたと思いを共有して下さった方など、多くの皆様にご覧いただいていることに心より感謝しお礼申し上げます。

中でもお葉書を送って下さった角野様(20年近く弊社製品をお使い下さっているお客様)からのメッセージには心打たれるものがございましたのでご了解を得て掲載させていただくことに致しました。

万年筆でしたためられたその柔らかな筆致の文面からは情緒豊かなお人柄が偲ばれ、また速水御舟の茄子(山種美術館所蔵)の絵葉書をお選びになっていらっしゃることからも、いかにも風流を嗜まれる御方であることが感じられました。

角野様葉書2

秋はすべてが澄み渡り、私どもに潤いを呼び戻してくれるように思います。初秋、仲秋が過ぎ、そしてこれから迎える晩秋に自分を重ね、人生の来し方行く末に想いをめぐらせてみる今日この頃です。

posted by ハルカ at 15:45| Comment(0) | 文(ふみ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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